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「クリスマスの星を探して」

澄み切った夜空にきらめく無数の星々ほど、人の心を魅了するものはありません。太古の昔より、人々は星を見上げて神を思い、永遠の世界に思いをはせてきました。古代の文明で、天体の運行に関心を持たなかった文明はひとつもなかったという歴史も、星に対する人類の関心の高さを証明しています。

イエスが誕生したとき、ひとつの星が現れて、それを見た東方の占星術の学者たちは、イエスを拝むために旅に出ました。澄み切った中近東の夜空にひときわ輝く星の出現は、さぞかし神秘的だったでしょう。そしてまた、星を見つめて救い主のもとへと向かう旅は、きっと、深い感動に満ちていたことでしょう。
その道中、さまざまな困難がありましたが、彼らは、仲間と助け合いながら、聖なる目的地を目指して、旅路を進んでいきました。これこそ、まさに「人生」そのものです。もし、「人とは何か」と問われるならば、私は、人生の目的地を知り、いつの日か、そこにたどり着けると信じて、仲間と共に旅路を歩む者だと答えます。だからこそ、私は、「その星を見て喜びにあふれた」(マタイ二章九節)という学者たちを、うらやましく思います。彼らは、人生の目的地を、はっきりと示されたからです。

かつて、イエスは、神の国の秘密を語るとき、イザヤ書を引用して、こう警告しました。
「あなたたちは見るには見るが、決して認めない」(マタイ十三章十四節)。
二千年前、誰もが長い間待ち焦がれていた、すべての人を救う神の子の誕生を告げる星が現れて、それは、すべての人の目に、はっきりと映りました。しかし、その星の意味を信じて、救い主に会うために出かけて行ったのは、占星術の学者たちだけだったのです。
現在の世界で星が見えなくなったことと、現代の人々が神を見失ったこととは無関係ではありません。星が、失われたのではありません。ただ、星を見る眼差しが失われたのです。星は、今このときも、私たちの上に輝いて、救い主の誕生を世界中に知らせ続けています。

今、つらくて悲しくて、うつむいているすべての人に、私は言いたい。うつむいていては、星を見つけることはできません。魂の眼差しで天を見上げれば、あなたの上にも、救い主のもとへと導いてくれる星が、すでに輝いています。
アドベント・待降節の日々、天を見上げて、星を探していきましょう。星を見つける眼差しさえあれば、そこに、幸せな世界が開かれていきます。神の愛は、すでに、夜空に輝いています。 (牧師欄リストに戻る)

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